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News / 2020

いばらきデザインセレクション表彰式

2020年12月25日(金)いばらきデザインセレクションの表彰式に出席してきました。私も審査員の1人として選んだ「大賞・知事選定・選定・奨励賞」の表彰です。大賞は、コロナ禍で営業自粛した全国の飲食店が抱える賞味期限が短い樽生のクラフトビールを回収し、賞味期限のないジンに蒸留・ボトリングして戻す取り組みをした、木内酒造さんです。

http://id-selection.jp/index.php?FrontPage

アジア太平洋デザイン年鑑の審査員をしました

中国のSandu Publishingという出版社から出された「アジア・太平洋デザイン年鑑 No.16」の審査員をさせて頂きました。日本や南米を含む28カ国から多くの作品が出品されており、日本人も上位賞にも入っています。その出版を記念してインタビューを受けましたので、ご覧いただければと思います。

https://mp.weixin.qq.com/s/Pk5C5CX3Wy8oiHngoZXJvg

 

[質問1]
「アジア太平洋デザイン年鑑」コンサルタントについてと、今回の応募作品全体のレベルにつきまして、ご感想はいかがでしょうか。印象に残るいい作品を何点か教えていただけますか。

[答]
今回データでの審査になりましたが、本や商品など、やはり実物で審査したいという気持ちが強かったです。レベル的には毎年高いので、今回が特に優れていると言えないのですが、タイポの素晴らしいのが目につきました。特に好きだったのが、「&More」と「Discover ZJU」と「Champaca」でした。フォルムが美しいし、アイデアがあるのも気に入りました。他には「Azabu Ttoriizaka First」と「HITO to KI to HITOTOKI」が印象に残りましたが、細やかな配慮があり、デザインの魅力を改めて気づかせてくれました。


[質問2]
今回の年鑑の審査を経て、アジア太平洋地域のデザイン業界において何かお気づきの変化があるでしょうか。

[答]
今回の審査だけではないのですが、アジア太平洋地域のレベルがどんどん高くなっているのは感じます。特に中国はデザインに対する熱量を感じ、なかでも学生や若者の熱量は素晴らしいと思います。


[質問3]
多元文化の共存と融合がアジア太平洋デザインの特徴です。ここ数年世界で日本デザインの影響力をどう思われますか。

[答]
日本デザインの影響力は確かにあると思います。日本のデザインは独特の空気感を持っていますし、それを「美しく機能的」と思ってもらえてると思いますが、他の国も日本にはない感性のデザインがあり、とても興味深いです。その融合がアジア太平洋のデザインのパワーになり、全体のレベルアップになっていると思います。


[質問4]
ここ数年さまざまな新技術の活発がさらにデザインの多様化を推し進めています。「いいデザイン」の基準はともに変化しつつあると思われますか。デザイナーの仕事が新しい技術からどのような影響と挑戦を受けたのでしょうか。

[答]
コンペティションとしての「いいデザイン」は変化していると思います。新技術を駆使したデザインや自由な発想が上位の賞をとるようになりました。しかしながら、デザインの根本であるコミュニケーションとしての「いいデザイン」は、いつになっても変わらない気がします。どちらを優先すべきかは審査をしながらいつも悩むのですが、その解決こそが、デザイナーのこれからの挑戦のような気がします

[質問5]
近年、さまざまな地域および世界的なデザイン賞が次々と現れました。これがデザイナーに対して大きな刺激となるでしょう。今後の「アジア太平洋デザイン年鑑」賞はどのような側面に努力と試みをしたらよいでしょうか。次の「アジア太平洋デザイン年鑑」はどのような年鑑になると望んでいらっしゃいますか。

[答]
賞が増えることは良いことだと思いますし、賞をとることによって自信や夢が広がりますので、多くの人に参加して欲しいと思います。それから、審査は現物を見ながら行うべきだと思います。看板など大きなものは難しいと思いますが、本や商品などは、手触りや中身なども見たいところです。それによって「新技術」だけに頼ることのない審査ができる気がするからです。私も色々な審査を企画したり、審査員として参加していますが、審査員同士のコミュニケーションもすごく大切に思います。「アジア太平洋デザイン年鑑」を充実させるためにも、参加人数を増やすことと、現物の審査をぜひ実施してほしいと思います。

 

グッドデザイン賞で金賞受賞

2020年度のグッドデザイン賞が発表になり、デザインを担当した「BRING」が、グランプリの次の賞である「金賞」を受賞しました。BRINGとは「服から服を作る」というコンセプトで開発された、服のリサイクルシステムです。以前は「FUKU FUKU PROJECT」という名前でしたが、現在は名称を「BRING」にして活動しています。

https://www.g-mark.org/award/describe/51151?token=nD6mlNsdRJ

Lu Junyi Design Live のインタビュー

中国オンライン・デザイン・メディア「Lu Junyi Design Live」のインタビューを受けました。中国語なので読めないと思いますので、日本語を掲載します。

https://mp.weixin.qq.com/s/xs1U_VmxsDLCeHt6uyrD9w

 

[質問1]
松永真デザイン事務所の経験を教えていただきたいです。そして、事務所時代に学んだ今もその影響を受け続けてきていることがもしあれば教えて頂けませんか?

[答]
松永さんとの仕事は、「教えてもらう」というよりは、「見て学ぶ」という感じでした。また細かいことはあまり注意されず、コンセプトを大切にするように習いました。松永さんの言葉で一番印象的なのは、「デザインしないこともデザインだ」という言葉です。何もしないという判断も、一つのデザインだという意味ですが、現在の私のデザインがシンプルなのも、この言葉が影響していると思います。

[質問2]
動くピクトグラムと比べ、静態、動かないポスターの良さがあると思われますか?

[答]
動かないポスターよりも、やはり動くピクトグラムはインパクトもあり伝わる速度も速いと思います。ただ、電力がストップした時などは機能しませんし、またエネルギーも大量に必要とします。その点動かないポスターは「壁」があれば誰でも見るもとが出来ます。また動かないワンビジュアルの強さは、心に残る印象的なものになると思います。

[質問3]
名作「無印良品キャンプ場」シリーズポスターの製作経緯について、紹介していただけませんか?

[答]
1/プレゼン
「無印良品キャンプ場」のポスターは、発表の半年前にプレゼンします。だいたい20案くらい考え、4案くらいに絞り提案して、無印良品と話し合いながら1つに決めていきます。

2/ビジュアルの制作
決まったビジュアルを制作していくのですが、アイデアによっては自分で制作したり、自分で制作出来ないものは、アーティストにお願いして制作します。この時大切にしているのは、「クオリティを上げる」ということです。そのためには色々な実験をしたり、情報を招集したりして研究する事が大切です。撮影の時も、ビジュアルに合わせてカメラマンを変えていきます。

3/印刷
ビジュアルのクオリティを上げるのも大切ですが、ポスターは印刷も大切だと思っています。そのために、プリンティングディレクターという、印刷に詳しい人と組んで、色の調整や紙との調子合わせなども研究しています。

[質問4]
ポスターはアートだと思いますか?そして、今この時代にポスターの作用と価値とは?

[答]
ポスターは商業的に必要な物なのでアートだとは思いませんが、ポスターには「アート感覚」は必要だと思います。ただメッセージを伝えるだけでしたら何も感動はしませんが、「アート感覚」を持ったポスターは、人に感動を与え、より強いメッセージを伝えることが出来ると思います。またアート感覚がすぐれたポスターは、クライアントのイメージアップにもつながり、企業や社会を豊かにしてくれると思います。

[質問5]
良いポスターの要素について、新村さんの観点を聞かさせてください。そして、どうやってレベルの高いポスターを制作しますか?

[答]
まず「メッセージをシンプルにする」事だと思います。文章やビジュアルが複雑ですと、何を言いたいのかが伝わりにくいですので、伝えたいことを絞ってシンプルな文章とシンプルなビジュアルにするべきです。次にそのビジュアルのクオリティを上げていくことだと思います。見た目はシンプルだけど、人が感動するようなビジュアルを作り上げることが、レベルの高いポスターになると思っています。

[質問6]
受賞多数のデザイナーとして、新村さんにとって、「デザインアワード」とはなんでしょうか?「受賞する」の意味はなんでしょうか?

[答]
デザイン関係にはたくさんの「賞」があり、何歳になっても「受賞」は嬉しいものです。受賞したいと思う欲求が、より高いクオリティのポスターを作ろうとするし、デザインセンスも磨かれていくので、「デザインアワード」は必要ですし、これからも存在して欲しいと思います。ただ、それが最終目的になってしまうと、デザインと社会との繋がりが貧弱になると思います。企業や社会の事を考えてデザインすることが一番で、デザインワードは、その次にくるものだと思います。

[質問7]
デザイン教育とデザインの関係性について、いかが思われますか?

[答]
「デザインと社会」を考えた時、デザイナーばかりがデザインセンスを上げても意味がなく、デザインを受け取る社会(一般の人々)のデザインセンスのアップが必要だと思っています。社会のデザインセンスがアップすれば、アート的なポスターはますます必要とされるし、デザインのアート感覚もますます必要になってくると思います。そのためには子供の頃からの教育が必要だと思っています。特に小学校のデザイン授業は大切で、デザインの必要性や楽しさを小さな頃から教えていくべきだと思いいます。

[質問8]
若いデザイナーに一言、よろしくお願い致します。

[答]
若いデザイナーは、想像力やデザインセンスも良く素晴らしいと思います。特に中国の若いデザイナーや学生は、意欲もありどんどん伸びているのを感じます。もしデザイナーとして悩んでいる人がいるのでしたら、ぜひ「自分らしさ」に挑戦して欲しいと思います。デザインセンスが少ししかなくても、自分らしい個性でデザインすれば、色々な人が注目してくれます。(僕もセンスのない人の一人です)

[質問7]
新村さんにとって、「デザイン」とはなんでしょうか?

[答]
小学生の時に出会った美術の先生の影響でデザイナーになりましたが、その先生に出会わなければ、私は漁師になっていたかもしれません。そうゆう意味では「デザインは運命」かもしれません。また自然がいっぱいな田舎で育った私がデザインのモチーフに選ぶのは、「魚や草花」が多いです。そうゆう意味では「デザインは人生」かもしれません。基本的にデザインはお金を稼ぐための仕事です。でも仕事以上の魅力を持っていますし、私に「人生を楽しむための生きがい」を与えてくれます。

大垣の職人がつくるヒノキ枡展に出品

クリエイションギャラリーG8が主催する「百六十人のクリエイターと大垣の職人がつくるヒノキ枡展」に出品しています。私の枡は、4面を春夏秋冬の白いもので描きました。春=紋白蝶、夏=白百合、秋=秋刀魚、冬=雪と兎。秋の秋刀魚が白いのか?微妙ですが、食欲の秋で選んでみました。

会期:2020年12月1日(火)〜12月25日(金)11:00〜19:00  入場無料(予約制)
会場:クリエイションギャラリーG8

http://rcc.recruit.co.jp/creationproject/2020

瀬戸内デザイングランプリ表彰式

2020年11月28日(土)山口県防府市のアスピラートにて、瀬戸内デザイングランプリ2020の表彰式を行いました。コロナ鍋にもかかわらず、多くの学生が参加してくました。また今年も村岡山口県知事にご出席頂き、本当に嬉しい限りです。

https://setouchi-dgp.com/yamaguchi/

 

食のグラフィックデザイン展に出品

京都dddギャラリーにて、DNP文化振興財団が主催する「食のグラフィックデザイン展」が開催され、新村水産のポスターが展示されます。他にも浅葉克己さんや永井一正さんや福田繁雄さんのポスターも展示されます。

京都dddギャラリー第226回企画展「食のグラフィックデザイン」
会期:2020年10月17日(土)〜12月19日(土)
会場:京都dddギャラリー(京都市右京区太秦上刑部町10)入場無料

http://www.dnp.co.jp/gallery/ddd/

瀬戸内デザイングランプリ審査会

10月4日(日)山口県防府市のアスピラートにて「瀬戸内デザイングランプリ2020」の審査会が行われました。今年のテーマは「ロボット」で、山口県内の小学生・中学生・高校生が応募してくださり、1,274点もの作品が集まりました。コロナにより学校の授業が大変は時期に、こんなに集まったことを嬉しく思います。グランプリをはじめ、入賞・入選200点あまりが決まりました。

https://setouchi-dgp.com

穴吹情報デザイン専門学校で講義

9月11日(金)福山にあります穴吹情報デザイン専門学校で講義をしました。私の出身と近い瀬戸内にあるということもあり、皆さんで歓迎してくれました。授業も熱心に聞いてくれ、コロナ鍋での出張講義でしたが、心温まるものになりました。午後には、平和ポスターのミニ審査会もあり、2年生の力作が揃っていました。

https://web.anabuki-net.ne.jp/acf/

 

無印良品のBGMで、ポーランドへ

無印良品が、地元に根ざした世界の音楽を紹介している「BGMシリーズ」。その「BGM26」はポーランドになり、8月30日〜9月6日で撮影に行ってきました。ポーランドはショパンの生まれた国だけあって、いたるところにショパンの銅像や音楽関係のものがありました。この写真はPalace of Culture and Scienceの前にある、ピアノの鍵盤になっている横断歩道です。

ポーランドの首都ワルシャワは、戦争の爪痕を残しながらも、高層ビルを含めた近代的なビルがどんどん建っています。物価も安く、過ごしやすい街だなと思いました。

ワルシャワを流れるビスワ川。平日でも河岸でバーベキューをしたり散策する人が多く、とても親しまれている川のようです。

ワルシャワが首都になる前に首都だった「クラクフ」にも行ってきました。ヴァヴェル城(写真中心部)は、いろいろな様式の建造物がつぎはぎされた城で、建築好きの人には興味深い城だそうです。

クラクフでのランチは、村上春樹さんも泊まったというホテルのレストレン「FIORENTINA」で。小さなホテルでしたが、内装もサービスも素晴らしく、次にポーランドに来た時は、ぜひ泊まってみたいと思いました。中庭で食べたランチは、味も料金も大満足のものでした。